日記

長崎から佐賀へ。
姫路から始まった7日連続公演が終わった。
明日は休みだから、とりあえず今夜はゆっくりしようと思う。アルバート・アイラーを聴きながら、この日記を書いてます。

長崎、佐賀と来てくれたみんなに愛と感謝を。長崎では「テレフォン・ラブ」のコーラスのレクチャー(?)をたっぷりやったし、今夜の佐賀ではアンコールをフロアの真ん中まで降りて行ってやった!ぼくの回りに輪になって座ったみんなの中にはダブルオー・テレサもいたし。とにかく初めてのことばっかりのいろんなドキドキの中で、幸せです。

毎日続くライブの日々の中で、頭が勝手にガキのころ見に行ったあるライブのことを思い出してる。その記憶はだんだん鮮明になり、ここ数日はぼくのハートを占領して動こうとしない。
ぼくは中学生だった。そのぼくが出かけて行ったザ・ブルーハーツの、たぶん高松市民会館でのライブ。ちょっと肌寒くなって来た季節。そう、ちょうど今ごろ。取っていた切符は指定席でちゃんと座席が用意されてたんだけど、席から動かずにブルーハーツを聴くのなんてまっぴらごめんだったぼくは、一緒に行ってた友人数人とガラガラの2階席の後ろでずっとあばれたりさけんだりしてた。なんてったってぼくらはまったくパンクに夢中だったし、ぼくらはいつだってどこにいたって1977年のロンドンにいるつもりになってたんだ。
ステージには悪魔と天使が同時に取り憑いたようなグループがガンガンに演奏してた。カッコ良かったよ!!テレビで見るような音楽とは違って、ギターとベースとドラムとうた、ただそれだけのシンプルな「ロック」だったんだ。1曲目が始まったときの、その「簡素さ」ははっきり憶えてる。それになによりぼくの大好きな曲をいっぱいやってくれた。もうぼくらは曲が終わるごとに狂ってたよ。
で、ライブの後半、ここが重要なところなんだけど、MCでヒロトが大騒ぎしてるぼくらのほうを指さして叫んだんだ。
「おまえらー、踊るんだったらだれにも似てない踊り方しろー!跳ぶんならだれよりも高く跳べー!!」
ってね。すごくない?ま、ぼくにはこれは紛れもない神の啓示のようなもので、その瞬間から狂っちゃって、もうコンサートの最後とかぜんぜん憶えてない。ただ会場を出ても真っ暗な夜の高松の街をあばれてのたうちまわってた記憶がある。
と、これがぼくの最高に素敵なライブの思い出。というわけでぼくは今も誰にも似てない踊り方で、ロックし続けてるんだ。