雨上がりの空に

関郡山で予定されていた野外ライブが、出演直前に雷雨のため中止になってしまった。
ぼくの経験上、このようなことは初めてだが、とても残念な気持ちである。
昨今の異常気象のせいにでもしたいところだが、やはり責任をどこにもぶつけようがなく、実に虚しい。

ここ数年、野外でのフェスやイベントはどんどん増えている。
ぼくらも、お客さんたちも、この先もこのような経験をするだろう。
こういうときに大事なのは、その虚しい気持ちを何によって埋め合わせるべきか、ということかもしれない。
気合いを入れて臨んだライブが中止になった以上、もはやその気合いを埋め合わせるのは不可能ではある。
しかし、ぼくらは雨が上がり晴れ間を見せ始めた郡山の空の下、なんとかしようではないかと前向きになった。
オータコージが「白川ラーメン・・・」とつぶやく。
訊くと、喜多方ラーメンほどメジャーではないが、より醤油味の効いた福島のラーメンが存在するという。
高速で約1時間。「のどか」という言葉がこれほど似合う場所もない田園風景の真ん中に、その白川ラーメンの発祥の店「とら食堂」はあった。
手打ちラーメンの、そこはかとない厳しさを秘めた優しい醤油味のスープに、ぼくらはなんとなく癒され、また田園風景のなかバンドワゴンを走らせ、高速に乗った。

ちなみに、今回の件を受け、「晴れ男」と自称することはやめます。