帰省

すべり込み帰省。
1日オフができたので、日帰りで。

空港には父親と早めに帰省している弟が迎えに来てくれた。

うどんを食べ、実家で母を拾い、車でおばあちゃんの家へ。
ぼくがこどもの頃に比べたら多少は舗装された道路が増えたが、やはりため息がでそうなほどの田舎。

病気してしまった叔父さんを見舞い、みんなでお茶飲みながらいろんな話を。
おばあちゃんは94歳だけど、元気だ。ニコニコしてよく喋る。
叔父さん、叔母さん、父、母、そして弟。
みんな昔は若かった。
今はそれぞれの時間の重みを身に纏って。
もちろんぼくもだ。
でもそれもなかなか素敵なこと。秘密の宝物もたくさん隠し持っている。

父親の腕がずいぶん細くなったことに気づく。
オレを幾度となく抱きかかえた腕。

おばあちゃんちから帰るとき、ガキのころよく遊んだ川に立ち寄った。
激流に思えていた川も、今となればせせらぎ。
でも流れは昔と同じ、美しかった。
ときおり流れのなかのあちこちに、銀色にきらきら光るものが見える。
じっと目をこらすと、ちいさな魚たちがくるくると遊んでいるのだった。

田んぼから吹く風は涼しく、蝉の声は細くなり、そうやって夏はまた過ぎて行く。