日記

1週間くらいの病気休暇。
その間、布団の中でずっとエンケン遠藤賢司)さんのレコードを聴いた。
だいたい深夜、熱でうなされて起きると、エンケンのレコードをかける。
そして手元にある幾つかのエンケンの言葉(インタビューやライナー)を読んだり写真を見たりしてその宇宙にひたる。
何度も叫び出しそうになったり、泣き出しそうになったり(実際に泣く)、けらけら笑ったりする。
エンケンさんの宇宙の中で、ぼくは生まれたままの赤ちゃんのようになれるのだ。
とくになにかを悟ったりすることはないのだが、その宇宙に身を委ね、ぼくはどこまでも自由だ。気持ちいい。
ぼくはロックにこういう感じを求めていて、それをいちばんきちんと満たしてくれるのはエンケンさんの音楽だ。
カッコいい!
尊敬してるなんて言うのはおこがましすぎるので、ぼくにとって彼はスーパーアイドルとして存在している。
そして今夜もエンケンさんが、「夢よ叫べ!」とぼくの夢を輝かせてくれる。
エンケンさんは’97年の”レコードコレクターズ”誌2月号(この号はぼくのバイブルのひとつだ)での、北中正和氏とのロング・インタビューでこう語っている。
<オギャアと生まれたときから人間は根本的に嘘つきだと思ってる。オギャアと生まれたその瞬間がほんとの叫びで、それ以上のロックンロールはない。それ以降は世間を知れば知るほど嘘つきになってくる。真実を通してギリギリのところでやっていくには、嘘つきじゃないと生きていけない。その嘘の数だけ命を燃やすのが俺は仕事だと思ってるんだ。>