日記

sokabekeiichi_diary2006-07-14

NHK505スタジオにて、豊田道倫ライブ。

この日は鍵盤にKYONさん、ドラムに久下さん、そしてエレキギターとうたが豊田くんというトリオ編成。初の組み合わせだそうだ。
素晴らしい。
久下さんのバスドラムは最高のタイミングでこちらの心臓の動機に拮抗してくる。KYONさんのピアノの旋律はねじれながら美しいメロディを産み落とし続ける。日本で最高峰の名手おふたりをバックに、豊田くんがうたっている。
素晴らしい。
これがバンドだなと思う。あいつやそいつやこいつがやってるのなんて、ちっともバンドじゃない。目の前のだだっ広いステージ上には世界があり、大気があり、温度があり、匂いがある。
そしてそれは、いまここにしかない。
空気にひっかき傷がいっぱいついてた。

「東京の恋人」でやっぱり泣いてしまう。

ステージが終わって豊田くんとすこし喋る。
「曽我部くんのファンには、嫌われとるからなあ」と、笑いながら言う。
以前代々木で二人会をやったときに、豊田くんのうたを否定するような書き込みがいくつかあった。
わたしには理解できませんでした云々・・・。
理解できないものを理解しようとする行為が、うたを聴くということだし、一生懸命に伝えようとすることが、うたをうたうということだ。
あなたのまわりのほとんどのことを、あなたは理解していないし、そしてほとんどのものはあなたに歩み寄ってはくれない。
豊田くんのうたは、失われた絆をたぐり寄せるように響く。

うたは素敵だなあとしみじみ思った。


豊田くんが終わって、つぎはあふりらんぽ
素晴らしい。
都会の夜の幕に書きなぐられた小さな女の子ふたりの真っ赤な日記。
爆音のなかきらきらと星がまたたいていた。