日記

八月の真昼の蝉の声は、やっぱり最高だ。
日本の真夏を盛り上げる唯一無二のサウンドトラック。
だって、何百年後に蝉が絶滅して、しーんとした車の音とかだけの夏なんてイヤだね、絶対。

今日は特別に世田谷の蝉の声が揃ってて美しいので、スタジオに入ってすぐに蝉の声をレコーディングすることに。
機材を用意していると、スタジオのアシスタントくんが「去年も録りましたよね」と言う。
それでボクは自分が毎年蝉の声を録音してることに気付いた。

こどもの出産に立ち会って、その生まれた瞬間の泣き声は、この世に生まれ出た喜びと苦しみが混ざり合った原初の叫びで、これぞロックンロールだと思った。
しかし蝉たちは七年もの暗黒の時代を終え、一瞬の夏を叫ぶわけだから、これもまたロックンロールである。

いつか、蝉の声ばかり集めたアルバムでも作ろうかと思う。