NOW and THEN

最近はエッセイ集の原稿の推敲作業でなかなか日記を書けてません・・・。楽しみにされてる方、ごめんなさいねー。ま、でも何年かに一度のことなので、お許しを。

今日はTHE SUZANのアルバムのレコーディング初日。永福町にあるスタジオで50年以上前の機材たちに囲まれ、ガンガン録ってます。

で、そんな今日は、けっこう素敵なことがあったので、書いとこうと思う。

<ことの起こり>
 あるファッション誌の情報欄に、あのウッドストックフェスティバルに集まったたくさんの人たちの姿が全面にプリントされたコットンジャケットを見つけたのが、2週間ほど前。見た瞬間に「最高にピース!」って思ったね。事務所の女の子にも「似合うんじゃないですかぁ」とか言われ、自分でも「これ、オレが着るべき」とか勝手に思う。
 しかし、値段を見ると何と20万円。サンローランの新作ジャケットでした・・・。そっと雑誌を閉じるぼく。静かに仕事にもどるスタッフ。そしてまた下北沢の午後の時間は、何事もなかったかのように、流れはじめたのだった。
 その後も何度か、その服を思い出したっけ。

<展開>
 それで今日、あるファッション誌の撮影で、レコーディングを抜けて新宿の撮影スタジオへ。スタイリストは、盟友・二村 毅氏。
 どうもどうも久しぶり、なんて会話を交わしつつ、「これ着てみて。似合うと思うんだよね」と見せられたのは、例のウッドストック柄のジャケット。「来た!」って思ったね。

<結末>
 このストーリーにはまだ結末がついてない。そもそも結末があるのかどうかも。ただぼくはあらためて偶然における必然性を感じた。
 あのジャケットを買おうかどうかを、実はすっごく迷っている。
 で、今はこう考える。50歳になったある日、「そういえば昔着たあのサンローランのジャケット、カッコ良かったなあ・・・。買っときゃ良かった」なんてこと、ふと思いたくはないなと。