輪郭と旅する男

なかなか姿を現そうとしないアルバムの周りをうろうろと歩き続ける日々。
朝も夜も、その輪郭に触れようともがく。
この作業は終わりに近づいているのだろうか。ときどき不安になる。
作っては破棄し、破棄しては作る、その繰り返し。
ちょっと精神が擦り減る作業ではあるのだが、自分の心が求めているものを掴むまではやめようがないのである。

いつもそうだけど、作品は完成するまでどのようなものになるのかほとんど分からない。
出来上がって初めて、「あぁこんなものを作りたかったのだな、ぼくは」と思う。
その瞬間が最高に気持ちいいのだ。