家の近所の遊歩道に赤い彼岸花が咲いている。
何本か寄り添うように咲いていて、とても不思議でとてもきれいだ。
彼岸花は普通の花と違って、ちょっといびつで奇妙な形をしている。
なにか訴えるような、そんな風情だから、こどものころから特別な感情を抱かせる花だった。
赤い彼岸花が咲いている遊歩道を歩きながら、SEEDAの「花と雨」という曲を想い出す。
死んだ恋人のための、切ない、悲しい、やさしい曲だ。
どこにも行くあてのない想いが、くもり空の下で赤い彼岸花になって咲いている。
この曲を聴くといつも、心が泣いてしまう。