冬の航海日誌
遅い帰宅。
深夜2時。
外はオーガスタ・パブロのドレッドロックスも凍りそうなくらいの寒さ。
家に入り、味噌汁をあたためて飲む。
それからもう空っぽになったバスタブに湯をはり、風呂につかる。
そして今夜一杯目のコーヒーをいれる。
昨日は乃木坂のソニーで、鈴木慶一氏との共同取材。
昼から夜まで、立て続けに8本もの取材を受けた。
一日にこんなにインタビューを受けるのはひさしぶりだ。途中で、何をどこまで話したのか、こんがらがる。
ソニーにて『ヘイト船長とラブ航海士』の完成したCDを受け取る。曽我部恵一プロデュースによる鈴木慶一の17年ぶりのソロアルバム。
一瞬、くらっと目眩がする。
ひとつのCDが完成すると、ひとつの旅が終わった気分。
そして、その先にまた次の旅が待っている。
取材のあいだじゅう、ソニーの会議室の大きな窓の外には雪が舞い続け、灰色の街にグラデーションをつけていた。