蒸気の音楽

午後に目覚め、家を出る。
エリック・サティあごひげも凍りそうなくらいに寒いなか、CCCまで歩く。
暖かい店内、窓という窓は結露で曇っていた。
タツロウくんはレコードの整理中、まっつんはちょいと疲れてそう?トモちゃんはニコニコと元気そうだ。なんか、いい感じの店だなあ。
ひさびさにトモちゃんのパスタを食べる。
キャベツとアンチョビとドライトマトのペペロンチーノ。
これより美味しいパスタがあったら、教えてほしい。

そのあと大森へ。
KAITOことワタナベヒロシくんとのレコーディング。
ぼくがヴォーカルで参加するこのヒロシくんのソロアルバムのレコーディングも、そろそろ佳境である。
駅を降りてヒロシくんのプライベートスタジオへ向かう道すがら、コーヒー豆挽き売り屋さん「やなか珈琲店」でホットコーヒーを持ち帰り。
これが、びっくりするほど美味しい。
ちょっとした衝撃だった。心の珈琲店チャート、初登場一位。

レコーディングは順調に進み、深夜一時まで。
家に帰って、ランデヴーコンサートの音を聴く。
いちばん寒い冬の日。古い灯油ストーブの上に乗ったやかんから昇る蒸気のような音楽。
アルバム『おはよう』を凌ぐメロウさに、心がほどけていく。