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昨日は天気もいい一日だったが、ぼくはバンドでスタジオに入っていた。
プリプロをやったのだ。
プリプロ」とは「プリプロダクション」の略で、デモテープ作りのちょっと高級なやつ、かつ、本番ではないやつのことをいう。
つまりは、本番のレコーディングの予行演習である。
もっと言うと、友だち以上・恋人未満、というか。
プロの人たちはだいたいこれをやって、レコード会社・メンバー・スタッフ間のミーティングを並行して行い、本番〜作品完成へと至る。

しかしぼくはこの「プリプロ」ってやつがきらいで。

なんで本番じゃないテイクを録らなきゃいけないんだ、とか思ってしまう。
ギターを弾くのも歌うのもすべてが本番のつもりでやるんだ、というようないささか根性論めいたものがある。

でも昨日は、あるスケジュールがポンととんだために、「プリプロでもやろっか?」ってことになった。

やってみると、これがなんだか面白い。
だれも気合いが入り過ぎていない分、冷静に曲のアレンジなんかを眺められる。
役者さんたちが、稽古場で台本を見ながら台詞を言いあう「ホン読み」ってやつに似てる。
だれもがテレビで見たことがあるであろうあの風景。
あれってプロっぽくって、ちょっとカッコ良くないだろうか。
「できる人」が肩の力を抜いて、ウォーミングアップよろしく「やっていない」感じ。

ま、それがどうしたという話ではありますが。
こういう作り方は作品の仕上がりにも大きな影響を与えるのではないかと思い、次の作品はこうやって作るのもいいかもと思ったのであります。


今日もめちゃくちゃいい天気。
ふらりと映画でも観に行きたい、そんな日であります。