水辺の一日

晴れた日は自転車DAY。
今日は雨なので水の中へ。娘ふたりとつるんで水族館へ行く。
現地でぼくの両親と合流。
連休を利用して上京したのだ。孫にも会いたいらしい。
おじいちゃんおばあちゃんはもう立派な老夫婦である。
母が娘たちを連れて水族館巡りへ。
ぼくは父とふたりで、外のベンチに座る。
父は目がずいぶん悪くなっていて、水族館に入っても魚を見ることができないから。
だから父とぼくは水辺のベンチに並んで座って、母と娘たちを待った。
静かにぽつぽつと喋る。
ぼくを育てた父は、こんなにもおじいちゃんになってしまった。
申し訳ない気がして、できるだけおとなしく振る舞う。
そのうち少し肌寒くなってくる。
ぼくは父の手をひいて、白鳥の形をした小さなレストランへ入る。
昔はぼくが手をひかれていたから、今は逆だ。
窓際の席に座ってコーヒーを飲む。
飲み終るころ、母が子供たちを連れて水族館から出てくる。
子供たちははしゃいで騒ぎながら、とどまるところを知らない。
細い雨がちらちら降りはじめる。
ご飯でも食べに行こうかということになり、水族館をあとにする。
ぼくは娘の手をひいて、娘たちはおじいちゃんおばあちゃんの手をひいて歩く。