ただいま、おかえり。

昨日から外出するたびに不審に思っていたのだが、どうやらきてしまったらしい。
今日の朝も、ずっとくしゃみが止まらない。
目がとてもかゆい。


間違いない、花粉症(またはそれに準ずるアレルギー症状)だ。



昔、ぼくは花粉症だった。


上京と同時にそれになった。
ただ、ぼくの場合は春先ではなく、決まって初夏に起こるのだ。
つまり多くの人たちと同じくスギ花粉ではないようだった。


だからぼくは鼻がムズムズし始めると、あぁ夏がくるんだなぁ、などと思っていた。何年もの間。


「だった」と過去形で書いているのにはわけがあって、つまり、ぼくの花粉症は突然ある年に治ったのである。


こう言うと、まわりに当然驚かれる。
花粉症って治るんですか?!と。
しかしそう言われても治ったものは仕方ない。
ぼくはそのつど「きみたちもぼくのように正しく清い生活をおくれば治ることもあるかもよフハハハハ」などとのたまってきたのだった。


(詳しくは、拙著『昨日今日明日』(ちくま文庫)P 26「夏に語りかける男」に書いています)



それがついに・・・。


季節もまったく同じ。かつて花粉症が出ていた時期である。
ということは、治ったのではなく、長い間発症していなかったのだろう。


ま、初夏の風物詩として、ふたたび受け入れて行こう。