薔薇糖の日々

朝からミーティング。ROSE RECORDSのクルー5人でテーブルを囲む。
今後の仕事の振り分けや通信販売の方針、CDやレコードやT-シャツの価格、プロモーションのやり方、毎月の給料、在庫の整理、納品、伝票のつけかた、ホームページの管理・・・そんなことについて真剣な議論。同時にみんなでプールに行く曜日も決める。
自分でレコード会社を立ち上げて以降、日々とても大きな問題にぶつかり続けている。いくつかの問題、それは日本の音楽業界が抱えているトラブルのひな形であったりする。そしていくつかの問題、それはぼく自身が長い間ずっと棚上げしてきた問題である。
ぼくらはこのワンルームの狭いオフィスで毎日、これらの壁を乗り越えようとジャンプしている。ハードでタフな毎日である。しかし当然のこととして、乗り越えられずに残った壁が、夜には我々の前に立ちはだかるのだ。
夜には、その壁の向こうに、月がのぞく。その月に向かって吠える犬に薔薇の香りが漂ってくる。
今夜、夏過ぎに発表するぼくのニュー・アルバムの選曲が決まる。ぼくはそのレコードに"STRAWBERRY"という名前をつけようと思っている。
明日の朝もぼくらはオフィスに集まって、働くだろう。ぼくらの新しいやり方で。それが正しいかどうかは、まだ分からないけど、少なくともけっこうビューティフルな日々である。