日記

夕べはラリー・クラークの写真展と銀杏BOYZのライブに行った。

ラリー・クラークの”TALSA"という写真集が大好きで、少し前は旅先にも持って行くほどだった。
スピードを射ったり、恋人同士が喧嘩してたり、ラリってたり、そんな風景がモノクロで映し出されている。本人も毎日スピードを注射してたそうだ。その日々のなかでの記録だそうだ。だけどそこにはリアリティというよりも創造されたかのような神聖さがある。
ハルコを連れてたので、美術館に入るときに「お子さんには刺激が強すぎるものもありますが」と注意される。ぐるっと廻ったが子どもにどころかぼくにも刺激が強すぎる写真ばっかりだ。ドキドキしながら見終わった。ハルコはショーケースに入れられた切断された男の生首(ラリーが撮った映画に使われたものらしい/かなりリアル)にかなり興味をしめしてた。

そのあと銀杏BOYZのライブを聴きに渋谷ラママへ。いいライブハウスだなぁ。
歌ってるミネタくんの顔、その表情に心底惹き付けられる。自分の声で自分の言葉で歌っている。ほんとに「歌を歌ってる!」って感じなのだ。ギンギンにいろいろ伝わってくる。メンバー全員が自分の心で自分の演奏をしてる。すべては音楽のために。それをぼくらに聴かせるために。ぼくは感動した。とてもシンプルなことに、とてもシンプルに感動した。

今夜はモナ・レコードに寄って、お茶を飲みながら関 美彦さんのライブを聴いた。
関さんはここ最近、毎月フリー・ライブをモナでやっている。今日は最初に中村ジョーくんがゲストで出た。
ジョーくんとはこないだ京都で共演した。ザ・ハッピーズのころから、彼の声や歌い回しが大好きだ。今日初めて聴いた「からっぽの青春」って曲がめちゃくちゃ良かった。恋人たちの悶々とした日々を投げ捨てるように歌ってた。こういうのはこの人にしかできないなぁ。
そして関さんの演奏。言葉少なく綴られる都会の風景が、今日はなんだかいつもよりしみた。演奏前に一緒にお茶を飲みながら話してたとき、昨日ジョアン・ジルベルトのライブに行ったと言っていたが、そのジョアンのスピリットが宿ったような弾き語りの演奏だった。
知ってる人は少ないかもしれないが、関さんには名曲がいっぱいある。そんな名曲が輝いた夜だった。
ぼくは関さんが自分の新旧の名曲たちを弾き語りのライブでやっているアルバムを作りたい。たぶんそれは名盤になるだろう。