日記

渋谷クアトロの二日間を経て、現在大阪へ向かう新幹線の中。
去年のツアーはすべて車で移動していたのだが、今年に残った数公演分は新幹線になる。
どっちがどうということはないが、ビジネスマンやファミリーと一緒の列車に乗って移動していると、ツアー中だということをふと忘れてしまう。
車移動で何十箇所もやっていると、それは徐々に隔離された世界になってくる。ステージと移動の繰り返しで、社会との接点は高速のパーキング・エリアとホテルとライブハウスくらいになってくるのだ。
実はぼくはそこが気持ちいい。
単調な繰り返しの中、身のまわりから人工的な情報や社会で円滑に暮らすためのシステムが削ぎ落とされ、空の色や風が語りかけてくることが分かってくる。感覚も研ぎ澄まされる。そしてそのうちとてつもなくシンプルなことに気付いたりする。
今は年が明けて、ツアー中に体験したそんな孤独なインディアンのような感覚を東京の生活に持ち込もうと練習している。