日記

モモちゃんのお腹がすごく大きくなってきた。
夕べなんか、ふたりでビデオ観てたんだけど、そのとき触ったらちょっと信じられないくらいパンパン。
もぞもぞ動いたりして、中でいったいなにやってるんだろう?
今にも出てきそうな勢い。
でも7月まで待ってね。きみの待ちきれない性格はよく分かったから。
そのぶんお母さんは大変だ。
お腹が苦しくって、自由がきかない。
なにをするにも、お腹がジャマで。
でも、ぼくにできることといえば・・・ほとんどない。
日々「代わってもらいたいわ」って言われるんだけど。
ぼくも代われるなら代わってやりたいけど(ホントはこわい)。
だからいま、ぼくはちょっと肩身が狭いよ。
ま、そんな感じであと2ヶ月過ごすんだ。
名前のない子はどんな気持ちで過ごしてるだろう。
お腹の中にいたときの記憶についていつも考える。
どんな気分なんだろうって。
今となってはぜんぜん憶えていないけど、生まれて間もないころは憶えてるんじゃないか、なんて。
いちど、ハルコが3歳のときに、そのことについて尋ねたことがある。
ハルコはなんと「憶えてるよー」って言ったんだ。
でもよく聞くと、実はあやふやだったなぁ。
たぶんそれはだれも知ることのできない秘密の領域なのかもしれない。
暗く美しい秘密。
じっくりとそれを堪能しておくれ。