日記

自転車やら、クルマやら、バスやらで毎日移動していると、知らないうちに歩くことがおっくうになってることに気付く。
いや、ここ1ヶ月のうちになんと2台も自転車を盗まれてしまい、ちょっとした近場なら歩かざるをえなくなったのだ。
いつもなら、ちょっくらコンビにへ行くのも、下北のレコ屋に行くのも、ほぼ自転車だった。
自転車のスピード感もそれはそれで大好きなのだけど、いつもの通りをゆっくり歩いてみるのもまた新鮮。
街の細部を観察できる、というのもその理由としてあるのだが、ぼくが感じるのは、移動する速度と思考の関係性のこと。
自転車で走っているときは、やっぱりいろんなことが矢継ぎ早に頭の中を巡っている。もともとどこかへ移動する途中なのだから仕方ない。
それに対して、歩いているとゆっくり考え事に集中できる。そしてそのうち、部屋でいるときや仕事中には出てこないアイディアが、歩調のあいだからキラッと零れ落ちたりする。
それがいい。
あと健康にもいい。そういえば人間は本来、2本の足で歩いて移動するように決められてた。というかそれを選んだのだった。

ここでぼくはレコードの回転数のことを思い出す。
レコードの回転数には2種類あって、ひとつは33RPM、つまり一分間に(Per Minute)33回転(33 Rolls)。そしてもうひとつは45RPM(一分間に45回転/要はこっちのほうが早い)。
普通、アルバムのLPの場合は33RPM、7インチのシングルの場合は45RPMと、ほぼ決まっている。
ただ、ぼくの大好きないわゆる12インチシングルといわれるメディア(LPサイズの盤に1曲かせいぜい2曲を収録したレコード)は、45RPMもあれば33RPMもあるという世界。
なぜ2パターンあるのだろう。
回転数が早いということは、同じ時間内に読み取る情報量が多い(より長くレコードの溝をなぞることになる)ということだから、物理的には音が良いとされている。
しかし、これがアナログ盤の深いところで、必ずしも音質が高いものが音楽的に優れているとはされないのだ。
(↑わお!このセリフ、学歴偏重のおとなたちに言ってやりたいぜ!)
テクノの12インチが45回転が多いのに対し、ヒップホップの世界では33回転が主流だったりする。
かく言うぼくの12インチも「君に、胸キュン。」は45回転、「世界のニュース」や「LOVE-SICK」なんかは33回転と、曲によって使い分けている。個人的には33回転のほうが、音が太く存在感があって好きだ。

デジタルの世界から遠く離れた話だったが、ぼくらの生きるのは紛れもなくアナログの世界。
ときにはスピードを放棄してみるのも新たな発見への近道だ、と思った冬の散歩道。


PS 忘年会シーズンはとくに自転車には鍵をかけましょう!&オレのチャリ盗んだやつ許さーん!!