WE ARE NOT WORKING POOR.

sokabekeiichi_diary2006-12-11

はたらけどはたらけどなおわがくらしらくにならざり・・・。

あ、これ、ぼくの超いそがしくてテンパりそうになったときに唱える呪文です。ROSEのスタッフならだれもが一度は聴いたことあるはず。
別に貧困に喘いでいるわけではないのだけど、これを唱えるとちょっと気分が軽くなるのです。昔から綿々と続く、労働と生活と幸せのアンビバレントな構造の永遠性にそっとふれたようで。
このフレーズ作った先生はホントかっこいい!とか思ってたら、本日は天下のNHKにて好評特集「ワーキングプア」の続編。親友の作家・桜井鈴茂氏がブログで語っております。 http://thedogsdoze.blog14.fc2.com/
ま、社会で働いても絶対に富裕していくことのない層(大半ですが)と、逃れようのない(かのように信じ込まされている)そのシステムが支配する現代日本資本主義社会(とその破綻)についての特集です。
おじいちゃんが年金もらいつつも生活が苦しいので日々空き缶を集めるのですが、数週間で5千円くらいにしかならない、みたいなシーンがこれでもかと・・・。
この手の特集を見るにつけ気分が暗くなるのですが、こういう番組を見たからって「おし!ニッポン変えたろ!」とか思うはずもなく、たぶんほとんどの人は「あーーーあ(深いため息)・・・」と自分に用意されているであろう現実にちょっとづつ心を許していくのではないだろうか。つまり、ひと昔前だと「関係ないや」と客観できたのかもしれないけど、今やみんながこう思うのでは、「明日は我が身」と。
そしてこれを見たこどもたちはどう思うだろう????

未来はバラ色ではないという現実にゆっくりとしかし確実に慣らされていくぼくらは、今月もNHKの集金人がいつドアを叩くかびくびくしながら、形のないコミュニケーションにその身を深く沈めていくしかないのでしょうか。
一見、問題提議に見えることが実は体制側の<コトをスムースに運ばせるためのプロパガンダ>にもなってしまうという諸刃の剣のようなからくりの情報社会に生きるぼくらであります。

しかーし!これらのことはあくまでぼくらに対して一方的に与えられた仮想現実であることには変わりないのであります!!(突然,演説風/語尾にエコーがかかりフェイドアウト・・・)

     *       *       *      *

テレビを(たとえニュースであっても)「低予算のパニック映画」、くらいにしか捉えていないぼくはその番組も途中で止めてしまいました。退屈したのでね。
スイッチオフされたあとのリビングにはただちいさなモノリスのような液晶テレビだけが残ります。
あたたかい部屋のなか、でっかいネコのようにまとわりついてくるうみちゃん(1歳)をひざに乗せナデナデしながらコーヒーを飲みます。
そしてこどもたちへのクリスマスプレゼントについて考える。今年はなににしようかな。
今夜はとても寒い夜です。クリスマス近くになるとぼくはなぜか、無性にジミヘンやジャニスやスライ、「あの」時代を流れ星のように生きたロックンローラーのうたごえが恋しくなるのです。
キッチンで妻が煙草に火を点けました。パープル・へイズから聴きましょうか。

昔々、ある時代。アメリカでは「ドロップアウト」しようというメッセージが存在し、多くの若者へ未来を繋げた時代がありました。泥沼のように出口のないこの世界からこぼれ落ちろ、と。
今夜はぼくも東京の向こう側にこぼれ落ちつつ夜を過ごそうと思います。

それでは最後にSTAND!のスライ・ストーンよろしく、こんなメッセを。

DON'T CALL ME WORKING POOR, NHK!