ハートに鍵をかけて

春なのに、ハルコはインフルエンザでずっとふとんのなか。
治ったら、いっぱい遊んでやろう。
今日の東京はご機嫌な陽気。太陽が微笑んだ日。


週末のCLUB SNOOZER代官山UNIT
本番直前、舞台袖で待っていると、フロアからのキッズたちの叫びが聴こえる。
「ぎゃー!」とか「もっとくれー!!」とか。
つまりあれはオレの声だ。
早くステージに飛び出したくなる。
待ってろよ、いっぱい遊んでやるぜ。
消えることのないティーンエイジ・スクリームが胸の奥でエコーになって砕け散る。それは何歳になっても、ぼくのなかから消えることがなかった。
つまりそれが、ロックするってことなんだ。

ケニーは「会場の中から自分を探し出してやる」って言ってた。
彼は10代の頃、物欲しそうな目をしてCLUB SNOOZERに遊びに行ってたんだって。

そしてぼくは今夜もステージに走り出す。
みんなに逢うために。そのなかにオレもいるに違いない。


DJブースでは田中宗一郎が、ごく最近の欧米のロックンロールばかりをかけてて、どの曲もほんっと最高で、今度ソウさんに逢ったときには必ずプレイリストをもらおう。
そのなかで輝いてた、ひときわ古くさい音のナンバー。"THE KIDS ARE ALL RIGHT "。そのビートは果てしなく宇宙へと突っ走っていた。
DJは嬉々として踊り狂ってる。あいつは何歳だ?ま、どうでもいいか。