夏の日のcicada

今日も暑い一日だった。
窓を開けると、蝉の声がフェイドインしてくるとは、なんてロマンティックな季節。
この夏、蝉の合唱はフジロックで聴いたマイブラのギターノイズとどこかだぶる。
甘美で刹那なハイファイな叫び。

最近は断続的にウォーキングを続けている。
健康のためというよりも、無心になれる時間を持つため。
遊歩道、緑のなかをずっと歩いていると、色んな事から解放されただ歩くという行為にのみ集中している自分に気付く。
ゆっくりと呼吸しながら、歩く。
自分自身に近づくように、ただただ歩く。

今日は蝉の声があまりにきれいで、足を止め桜の木を見上げた。
しかし蝉の姿は見えなかった。
子どものころはいくらでも、木にとまった蝉を見つける事ができたのだけど。
幻の蝉の合唱に追い立てられ、ぼくはふたたび歩き始めた。