眠り

ライブが終わり、打ち上げもいい感じで、疲れきって帰宅。
ベッドに倒れ込む。
しかしここ最近、ぼくのベッドは二段ベッドの一階。
ゴロンとなっても、つねに体のすぐ上に天井を感じる。
これがあまり気持ちが良くなく、ほとんどの夜はリビングの床にブランケットを敷いて寝る。

思い返せば、自分は解放的な場所で寝るのが好きなのだということを証明する事例がいくつもある。

10年ほど前、飲んで帰宅し目覚めると目の前に青空があった。
部屋のベッドで寝ていたつもりが、家のごく近くの月極め駐車場で熟睡していたのだ。
あの朝の青空ほどさわやかな空は見たことがないが、同時にひどく不安でもあった。
青空の中にひとりぽつんと浮かんで、眠っているかのようだった。

また別の日には、代々木公園の真ん中で昼寝したくなり、シートを敷いて最高の惰眠をむさぼった。
しかしこのときは、目が覚めてみると真っ暗闇で、とても恐ろしくなった。

そんなふうに自然に抱かれて眠りたいという潜在的な欲求が、ぼくのなかにはあるのだろう。

田舎の自然のなかで生まれ育った者の因果だろうか。
今日もリビングに寝転がりながら、自分は洗練されたがっている野生児なのかもと考える。