はるいちはるいち
ここ数年は毎年のように誘っていただいているこのお祭り(フェス?ま、なんでもいいが)に今年も出ることができる。
やるほうも、きくほうも、音楽を心底愛してる大阪人があつまって、みんなで手で作っているイベントだ。
ぼくが生まれた年に生まれたこのイベント、途中中断はあったものの、40年、手で作られてきたというわけだ。
みんな、ともだちのように「はるいち」「はるいち」と呼ぶ。
ぼくがずっとレコードで聴いてきた最高のミュージシャンたちが、たくさん出る。
そんな人たちが楽屋にわんさかいて、酒盛りしてる。
楽屋で見てると、たんなるおっちゃんたちだったりするのだが、ステージで歌うと存在そのものが凶器のようになったりする。
まったくおそろしい。
あべのぼるさんが歌うのを最初に見たのも、春一番でのこと。
そしてそれが、最後になってしまったのだが。
親友の豊田道倫くんが「あべさん、すごいよ」と教えてくれて、ステージのかぶりつきで、あべさんのマジックアニマルズ、その大所帯バンドでの演奏を聴いたのだった。
どこに行こうとするでもなく、発せられて、そのまま夜空に消えて行くような歌たちが、とんでもなく清々しく、凄いものを見たと思った。
そのとき会場で買ったマジックアニマルズのアルバムは今でもよく聴く、自分のライブ会場でもかけたりする宝物。
このアルバムは、素晴らしすぎるから、アマゾンには売っていない。
欲しい者が旅しながら、それぞれの場所で見つけ出すことになっている。
アマゾンで買えるアルバムもなくはない。
このAZUMIさんとのふたり組<牛ふたり>の仙台の焼き肉屋さんでのライブもとんでもないシロモノ。
これを評す言葉をぼくは持っていないので、とにかく「歌の原型」のようなものに感動を憶えてしまう人は聴くべきだと思う、と言っておこう。
牛ふたり(あべのぼる AZUMI)『オーイ オイ LIVE in 白頭山』
最近出たのが、なんとあべさんのラストライブの音源。
豊田道倫くんが幸運にも録音していた音をCD化したものだ。
亡くなる直前のライブだが、あべさんの歌は生きてるときからすでに天国と繋がってるのだった。
あべのぼる『LAST LIVE~何も考えない』
さ、寝て起きたら、あの緑の公園で、ぼくは音につつまれてるはず。
*春一番ライブCD、1972年版はエンケンさん、友部さん、はちみつぱいなど、涎垂もの。おすすめです。
アタマの写真は蒜山(ひるぜん)高原サービスエリアで蕎麦を食べる直前の曽我部恵一BAND。
(ぼく以外のメンバーはテレビに釘付け)
<おまけ>
米子のマックのドナルドは、なかなかに兄貴的態度。