夏の空が見えて・抽象的旅路(四国編)
四国をまわっているともう青空がすっかり夏だよと言っているようで、ずっと春を待ってたぼくはなんだかめんくらって可笑しくなってしまうのでした。
たまに肌寒くもあるのだけど、四国はやはり南国なのだなあと感じる。
果物も甘くてでっかい。
旅のあいだ、ちょうど志賀直哉『暗夜行路』を読んでいて、主人公が四国にわたる場面で自分も高松にいたりして、大正時代の恋の面影をそこここに勝手に見つけてはほくそ笑んだりしたのだった。
ひさしぶりの讃岐うどんは、美味しかった。
最近東京ではお蕎麦にはまっていたから、あ、まったく別の食べ物だ、なんて思った。
・蕎麦はずるっとやったときの鼻に抜けるなにかが大事。
・うどんはつるっといったときののどごしが重要。
今日、高知の日曜市をぶらぶらしていると、露天を出しているおばあちゃんに話しかけられた。
おばあちゃんは木彫りをやっていて、かなり達者なのだけど、いまはなんとかという武将の肖像を彫っているらしく、その悲しみに満ちた抽象的な顔を彫るのがなかなか難しいのだという。
そういうときはこれ(そのとき彫っていた可愛いお地蔵さん)を彫ったりして、気を休めてまた集中するとうまくいったりするのだそうだ。
そんなことを真剣な顔で話して、おばあちゃんは最後に豪快に笑った。
そして曽我部恵一BANDのライブはと言いますと、回を重ねるごとにぼくの知らない場所へ、車飛ばして向かおうとしてるようです。
夏の幻を探す旅、または、おぼろ月夜のドライブのように。
では、また次の場所で。
追記、超おまけ