日蝕と食パンの朝


現在、ツアーがちょうど折り返しくらい。


ステージで歌を思い切り歌っているとき、日々のいろんなことを忘れることができる。
悩みや、苦しみや、迷いといったものが、自分の力となっていくのを体感する。

これはちょっと不思議な感じで、それ以上うまく説明できない。
(ときには歌うことで、さらなる苦しみを背負い込んでるようなときもあるにはあるのだが。)


今夜。いまこの瞬間ぼくは歌っていなくて、部屋でビートルズの「サムシング」を聴いているのだが、ぼくの魂はぼくに「はやく歌いたい」って言っている。


長いツアー、ずっとライブを続けることは、自分の体に歌をできるだけぴったり引き寄せておくということだ。


数日空くと、歌はもうどっかへ飛んでいこうとする。




曽我部恵一BANDツアー2012
<曽我部恵一BAND TOUR 2012>詳細です。 - NEWS - 曽我部恵一





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渋谷で『別離』というイランの映画を観てきた。


素晴らしい、いい映画だった。

生きること、人と関わることのどうしようもなさ(悪い意味じゃなくてね)をきちんと撮っていて、勇気ある美しい映画だと感じた。





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今朝、金環日蝕は見れなかった。

子供たちを送り出すためのいちばんバタバタした時間と重なってしまった。
それでも、長女はパンをほおばりながら「日蝕用のメガネ、コンビニで買ってきて!」と叫んでいたが。

まあまあ、次の機会まで待ちましょ。


今日それを体験したひとに聞いた金環日蝕の様子は、とても美しくて、その想像だけでもちょっと得した感じである。