夜のノート

歌詞やアイディアを書き付けておくためのノートがいっぱいになってしまった。

すると、やさしいひとがいて、ぼくにおなじノートをプレゼントしてくれた。

黒の無地のMOLESKINのノートブックを、ぼくはちかごろ使っている。
いっぱいになったやつも、だれかのプレゼントだった。

それまでもずーっと、さまざまなノートに歌やアイディアを書いてきた。
そんなノートが、20世紀の終わりころから15年ぶんくらいとってある。

ぼくはいつも街でお気に入りのノートを探しては、それをあたらしいノートブックに認定してきた。
そうすることが、俄然やる気をアップさせる。

だけどここ最近のMOLESKINのやつは、いただきもの。

夜にぼくは、こういうのも素敵だな、と考える。
だれかからの贈りものに、だれかへの贈りものである歌を書くということ。

今夜は秋の夜で、窓のすぐ外に虫が鳴いている。

ぼくはあたらしいノートの封を開け、あたらしい歌でも書こうかと思っている。