日記

sokabekeiichi_diary2006-06-20

ハルコが高熱を出して、幼稚園をお休みした。
かわいそうに、なかばうなされながら、布団に横たわっている。

今日、幼稚園へ持って行くはずだったおべんとうが、ぽつんと取り残されている。
「食べてもいいかな?」
と、妻に聞いてみる。
「いいよ」

ぼくはそっとおべんとうの包みをひらく。
手にするとあまりに小さなおべんとう。

母と子の秘密の匂いがふわっとひろがる。

ぼくはこの、ぼくの記憶の遥か遠くに置き去りになっている、ちいさなおにぎりやちいさなフライやすこしだけのグラタンを、そっとほおばる。
忘れられた祝祭的・儀式的瞬間が蘇るような気がして、あたりを見回した。

梅雨のあいまの蒸し暑い日。
みじかい6月の晴れ間を太陽が横切る。