「sketch of shimokitazawa 覚え書き」

*このアルバムは雨の日のアルバム。下北沢に降る雨はほかのどこともちがう。
そんなふうに感じてるぼくは、雨の日のこの街が好きだ。傘をさしてぶらぶら歩こう。
「かげろう」はぼくの家のベランダより生中継。ぼくの家のベランダは雨が降ると濡れてきれいに光る。

*下北沢の(有名な)踏み切りはじつはいろんなところから疎ましく思われているらしく、はやく高架になってしまえという声をよく聞く。しかしあの愛らしい踏み切りは、この合理主義で効率ばかりを求める現代日本においてはめずらしくわがままな性格で、ぼくは好きである。
でも、やっぱりなくなっちゃうんだろうなぁ。

*20分を越える「七月の宇宙遊泳」は、世田谷の梅雨どきのトリップの記録。
ぼくの家から下北沢へ向かう道にはなぜかたくさんのあじさいが咲く。かたつむりはまだ見つけたことがない。今年の梅雨はかたつむりを探して歩いてみよう。

*このアルバムはサティに捧げられたアルバム。ちいさな街を愛したサティになった気分で下北沢を歩くのである。

*ずっと声を中心に据えたレコードを作ってみたいと思っていた。
声とアコースティックギター。声とパーカッションひとつ。声とリズムボックス。または人間の声だけ。
『sketch of shimokitazawa』はそんな音楽にすこし近づいたと思う。

*おみやげ。OMIYAGE。下北沢散歩のおみやげ音楽として、このCDは作られた。

http://www.sokabekeiichi.com/feature/20050610_sos/