HOME MADE MUSIC

ここ数日、ランタンパレードのニューアルバム(これが目が覚めるような素晴らしさ!)のマスタリングやら、ワッツーシゾンビの同じくニューアルバム(こちらは妖気が漂うような格好良さ!!)のミックスダウンやらで、「音」というものに真正面から向き合う時間を多く持った。


去年やったおとぎ話のミックスダウンもそうだし、つい先月のALOHAのマスタリングもだが、他人の音に自分の何かを施そうとすることは、とてもむずかしいことだ。
ぼくは、いつもいちど深く悩んでしまう。
そのバンドのライブを見たり、歌詞をよく聴いたりして、その音楽が何を必要としているかを語りかけてくるのを待つ。


ぼくはCDデビューする前からカセットテープMTRでずっと宅録していたから、完全な独学ではあるが、レコーディング経験はもう20年になると思う。


サニーデイのときから現在まで、ぼくの音楽は常に理想の音色を探す旅路とともにある。
しかし、なかなかどうして道は険しいのだが。


最近、ちょっとずつわかってきた。
レコーディングやミックスやマスタリングでいちばん大切なのは、対象となるべき「音」をどのくらい好きになれるか、なのかなと。
対象に恋してたら、ヘタな装飾は無いほうがいい、って思える。
これはほとんど、恋愛と一緒なのかもしれない。



友人の江森丈晃くんが、古今東西のパーソナルに自宅で録音された音楽だけを集めた本を作った。
ぼくもすこし参加させてもらった。
素敵な本です。


「4、5人のためだけの映画があってもいいと思っている」
とは、ゴダールの言葉。


音楽もそうだと思える時代になってきた。